2006年2月活動記録   

<2月27日(月)> 炭点前(すみてまえ)解説
 炭点前解説と表題をつけましたが、私には、それだけの力がありません。しかし、このようなことがあるということを是非お伝えしたく、昨年、表千家の先生をされている知人の奥様にお願いし、カメラにおさめて来たものを掲載します。
 1月のテレビ番組で「茶の世界」という題だったかと思いますが、約4時間に及ぶ正式な茶事の様子を放映していました。それは『炭点前』から始まり、会席料理なども通し、すべてその席中の連客が一椀の茶を飲み回す濃茶の席でした。お茶の世界での炭の扱われ方が良くわかりました。   
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 炭点前の締めくくりの「点炭」(止炭とも言います)を炉に入れ終わったところです。
 種火の傍にお香も置いてあります。
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左は炭斗(すみとり)です。炭はもちろん、羽箒(はぼうき)、火箸、茶釜の環、白い枝炭、香合も揃っています。






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2006年2月活動記録_e0049740_1752145.jpg亭主の右側に炭斗、香合、茶釜の環(かん)、後方に濡れ灰が入った灰器(はいき)が見えます。
右上は灰器に入れられた濡れ灰です。分りにくいですが、茶色の湿った灰です。造るのに大変な手間暇がかかっており、火事の時にはまず、これを持って逃げると言われます。炭点前の時、少し湿った灰を撒くと水蒸気の力で空気に流れがおき、よく火が熾るとのことです。
左は、枝炭です。ツツジ等の枝を焼き、胡粉や石灰が塗ってあります。景色として、また導火炭の役割があるとのことです。
 ここから、炭点前です。炉の釜に環を付け、一時横におきます。
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火種もさすが菊炭です。                濡れ灰が撒かれました。
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 先ず『胴炭(どうずみ)』(長さ15cm、直径6cm)が入れられました







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次に『丸毬打(まるぎっちょ)』(長さ7.5cm、直径4.6cm)がおかれました。







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そして、『割毬打(わりぎっちょ)』(丸毬打をタテ半分に割った物)、さらに『丸毬打』とおきます。





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『丸管炭(まるくだずみ)』(長さ15cm、直径3cm)『割管炭(わりくだずみ)』(丸管炭を半分に割った物)をおきました。





2006年2月活動記録_e0049740_1851394.jpg枝炭をのせ、最後に『点炭(てんずみ)』(長さ7.5cm、直径3cm)をおきます。炭点前の最後なので『止炭(とめずみ)』とも言います。
炭点前だけで約30分かかりました。炭の置き方にルールはなく、その人の感覚で好きにおいて良いそうです。




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左は『風炉(ふろ)』です。
11月から4月までは室内に切った『炉』で暖房も兼ねるということで大きい炭を使い、
5月から10月迄は『風炉』で、炭も少し小さいサイズ(炉用の80%位)の物を使います。

写真と記憶だけでまとめたので正確性に疑問がありますが、炭点前がどのようなものか雰囲気は分って頂いたと思います。

テレビで放映されたものでは、客は炉に近づき、覗き込むように観賞していました。

<2006年2月17日(金)>炭出し記念特集号 
菊炭友の会・初窯は最高の炭が出来ました!
 期待と、不安の織り交ざった気持ちで、今日を待ちました。焼き上がった炭は重量感のある最高の出来上がりでした。
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名月窯の窯主が「この窯では炭の収量、約240kg」と言われるところを、263kg!重量があり、しかもしっかり焼けている高品質の炭です。  窯主からも「上等!」と褒めて頂きました。       

 窯を開けました!水蒸気が吹き出てきます
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 レンガをはずします。                開いた口から、そ~と覗き込みました   2006年2月活動記録_e0049740_18251066.jpg2006年2月活動記録_e0049740_1826351.jpg











まず、口近くの砕けた炭が出ます。右は菊炭よりも高価な白灰。1窯で、この程度しかとれません。
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 煙突も開きます。                    柴(上げ木)の炭です。

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真打が出始めました。窯の中は、サウナのようです。2006年2月活動記録_e0049740_18303931.jpg2006年2月活動記録_e0049740_18312816.jpg












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 1本々々そっと立てかけて、冷まします。この工程も欠かせません。 
時によっては、この段階から火が出ることもあるようです。

 砕けた炭、上げ木の炭は米袋に 入れ、普通の燃料用にします。

  
   お茶炭用は束ねて出荷します。           私達は10kgの束にしました。2006年2月活動記録_e0049740_18331263.jpg2006年2月活動記録_e0049740_18335625.jpg










 
 引き続き、窯主の木を入れ、火を入れました。
 例によって、窯の前で昼食をとったあと、今日は特別。能勢の『簡保の宿』に行き、温泉に入り、「お昼の営業は15時までです」と声がかかるまで、(ビールが欲しいのを我慢して)お茶だけで、(しかし、何だか豊かな気持ちで)過ごしました。

<2月12日(日)>友の会の窯・クドサシ(密封)名月窯 
16~17時
 今回は、やはり燃えるのが早く、48時間後の12日10時には既に紫煙になっています。空気孔も煙突もこれ以上絞れないところまで絞っています。2006年2月活動記録_e0049740_12222887.jpg2006年2月活動記録_e0049740_1235314.jpg












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 煙が15時に止まりました。クドサシ(密封)のタイミングがさらに早まり16時35分に完全に密封しました。
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     窯の口を閉じます。                  分りにくいですが、煙突も閉じました。

後は、17日の炭出しの日を楽しみに待つだけです。皆さん、お疲れ様でした!

<2月10日(金)>友の会の窯に火入れ(名月窯) 
8:30~20時
   準備した柴(上げ木)                 炭の原木
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10時点火。口焚き6時間後、16時の窯口と煙突からの煙。未だ水けむりです。2006年2月活動記録_e0049740_16262459.jpg2006年2月活動記録_e0049740_16265126.jpg












7時間30分経過後の窯口と煙。 口からも黄色味を帯びた喉を刺すような煙が出始め、煙突からは、もくもくと力強く煙らしい煙が出ています。そろそろ、口にレンガを積む時が近づいています。
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8時間経過、18時に空気孔を残し、レンガで口を閉ざしました。焚き続けると口から火を噴出します。右は黒川窯で火を噴いたときの写真です。
なお、レンガを積む途中、窯の中に薪に変えて、大きな炭を入れました。2006年2月活動記録_e0049740_16544942.jpg2006年2月活動記録_e0049740_1701444.jpg












レンガに隙間が残っているのを気にしながら20時に退去しました。

<2月9日(木)>今日は冷た~い日でした。  
 9~14時
 昼食は何時も11時半頃にとります。ホットする時です。本来なら1時間位、ダベリながら休憩したいところです。体が冷え、寒くなるので30分位で仕事を始めます。
最近、寒いとはいえ、今日のように食事中に手がかじかむのは珍しいことです。
雪がちらつく中での昼食風景です。何時もはこんなに背中を丸くしていませんよ。
今日は特別。
この時期、熱いお湯をポットで持って来、即席味噌汁、ラーメン、うどん等、身体を温める物が必需です。
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普通は木の切り株をテーブル代わりにしたりしますが、こんな洒落た物を持参する仲間も居ます。







次に装備です。大切な裾じまいです。手は軍手に重ねて皮手袋を着けています。
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大きなエプロンは汚れ防止。         腰には鉈、鋸、剪定鋏を着けています。
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頭を撮るのを忘れましたね。原則、ヘルメット着用です。今日はこれでお終い。
明日から、自分達の炭焼が始まります。

<2月8日(水)名月窯支援活動>柴造り・搬出 
9~14時
 山仕事の話をする時、どうしても原木の調達に関することが中心になりますが、
今日は「柴」の話をします。
炭になる原木は窯の中で1本々々立てて入れます。その原木の上に、横にして入れる木のことを「柴」又は「上木(あげき)」と呼び、窯内の温度を上げるのに重要な役割を果たします。
 炭の原木を取った後、適当な長さに切った枝を束ねます。鉈が活躍します。
クヌギは1升瓶より太い部分は、椎茸のホダ木に、それより細い木はお茶炭に、そして枝などは「上木(あげき)」にと、全てを使い尽くし、無駄にする部分はありません。2006年2月活動記録_e0049740_1657546.jpg



鉈使いも上手いものです。





 
 




搬出の障壁 (大きな段差)は滑り台を造りクリア。

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5日には、原木も、ここを滑らせました。






 天気予報に反して昼頃からちらついていた雪が14時には激しく降り出し逃げ帰りました

<2月4日(土)>里山シンポジウム 川西能勢口アステホール 
13~17時
 NPO法人ひょうご森の倶楽部主催のシンポジウムが開かれました。我が友の会も後援していました。300名定員の会場で立つ人が出るほどの盛況でした。
 
 4時間の中で、我が意を得たりと思うことが一つありました。
最近の官製談合、退官後の天下り先を確保する為に談合の手引きをしている。
何と、哀しい人達なんだろうと、私は思っていました。
天下りが出来るだけの地位まで来ている人達なんだから、経済的には普通以上の老後があるはずでしょう。それ以上を求めて、法まで犯す。この人達は人生の本当の値打ちが分っていない、実に気の毒な人達だと思っていました。
という私も、最近になってこのような考えを持つに至ったのですが・・・。
自然の懐の中で、人間のちっぽけさのようなものを感じていると、今そのような経験が出来る境遇にいることを幸せに思い、感謝もします。これまで充分に仕事をしてきたんでしょう。天下りまでして仕事を続けずに、元気な内に早く、全ての時間を私的なことに使える方向へ進んだらどうでしょう。
 里山再生のキーワードは「物質エネルギー志向の西欧的なもの」ではなく、旧来から日本人が持っている『心』だと言われた、「人と自然の博物館」岩槻館長の言葉は核心をついているように感じます。とても、難しいことではあるけれども。
里山放置林に身を投じて考えることは、「経済的に里山を救おうとしても無理だな、しかし今、自分が感じているこのゆとりは何なのか?」
里山再生は「心」だと言うことを私は今、肌で感じています。

<2月3日(金)>名月窯支援活動 菊炭友の会の炭焼き原木準備 
9~15時
 黒川窯支援は曜日で担当を決め、1日、1名が活動します。1方、名月窯は活動参加者が3名無い場合は活動しないことにしています。
そういうわけで、名月窯活動は、少なくとも仲間が5名はいて、ある意味では気楽に楽しんでいる雰囲気があります。
 今日は違いました。私達の炭を焼くため、10日に窯入れをする木を、31、1日の両日で準備する予定が雨で流れ、何時もより緊張感がありました。Kさんをリーダーに、参加者7名で仕事の分担を決め、効率を重視した活動をしました。2006年2月活動記録_e0049740_20524341.jpg

結果はオーライ。
10日に必要な量を超える原木の調整が出来、5日に窯まで運び込めば良い段階まで進みました。






<2月2日(木)>黒川窯支援活動 原木枝払い、山からの搬出
8~17時
 黒川窯の今シーズンの原木の調達は、そろそろ次の山へ移動する時期がやって来ました。既に、次の山は勿論、その次も手配済みです。
 これまでの山は、地元では『大谷山』と呼ばれ、妙見山登山の大同越えルートのすぐ西の山です。
 昼休憩の時、窯主は、「この山は昔は最高のクヌギ山だった・・・」と呟いておられました。「怖いものが何もなかった」若い頃、奥さんと二人で頑張った思い出があるようです。「家内がよ~やってくれた」とも。私は、窯主のその言葉を、奥さんに伝えようと心に決めました。
 最近では、どことも山主は持ち山の手入れをせず(出来ず)、放置する状況が多いようです。日本の林業は、そこまで厳しくなっています。
クヌギは日光には神経質な木です。「下刈り」や「ツル切り」がされない所では、良いクヌギが育ちません。
この山で撮った写真を紹介し、少し振り返って見ます。2006年2月活動記録_e0049740_1861100.jpg




笹が生い茂り、ツルが太陽光を遮断せんばかりの状況です。








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ユンボで道をつけて行きます。ユンボの威力たるや凄いですね。これがなければ、こんなに規模の大きな林には取り組めないでしょう。
しかし、昔は人力でやり通したわけですよね。




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そして、2台のキャタピラ付きの運搬車が、山の中腹においてある四輪駆動の軽トラックとの間を往復します。2006年2月活動記録_e0049740_18303527.jpg

 斜面の左下が伐採後、右上は伐採前です。こうして一度綺麗にし、3年位、夏に下刈をし、ツルは気付けば切るようにすれば、良いクヌギ山が復活するというのですが・・。

by cn1397 | 2005-12-27 17:12 | 2006年2月活動記録 | Comments(0)

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