2006年3月活動記録
2005年 12月 27日
<3月24日(金)>名月窯支援活動菊炭友の会最終炭出し
9時~14時30分
最終、炭出しを終えて、15時『るり渓温泉』にチェクイン。部屋に根が生えたように座り込みビールを味わう者、種々ある温泉を楽しむ者、さまざまでした。
18時、夕食の乾杯に先立ち、連絡調整担当から「ボランテイアには強いノルマはない。炭焼は窯に納期があり、雪や雨の日が多かった今年は、皆さんにプレッシャーをかけた。そのことが自分にもプレッシャーとして跳ね返り、厳しい年であった。期間中、誰1人怪我をする者なく過ごせたことで水に流して欲しい」という意味の挨拶があった。
後は、大人の集団、和やかに盛り上がった良き会となりました。
<最終窯のあれこれ報告>
・・・炭出し風景・・・




・・・原木と炭との体積の違い・・・

原木に巻きつけた針金。炭になるとこれだけの太さの差が出ます。
長さでは、下の写真の通り、原木では80cmありました。
炭になると65cm。


・・・竹炭・・・
クヌギの炭は400℃位で炭化しますが、竹は1000℃以上で無いと綺麗に焼けないと言います。従って、同じ窯で焼くのは無理がありますが、温度が最も上がると思える中央に竹を入れてみました。ドラム缶の窯で焼いた物と比較して綺麗に焼けているようです
・・・窯の口から吹き出す炎のこと・・・
焚口から噴き出す炎のことについて『熱処理の専門家』に再度、メールを入れました。
・・・・・ところで、またまた事後承諾ですが、「窯から噴き出す炎」の件をブログに掲載させて頂きました。それをまとめている内に、新たな疑問が湧いて来ました。
次の2点についてお教え頂ければと思います。
私のようなしつこい者に取り付かれてお気の毒に思います。
窯の中は高温になっているのに、一酸化炭素ガスは、熱では発火しないのでしょうか?
黒炭(クヌギなど)の炭焼き窯の内部の温度は400℃位で白炭(備長炭など)を焼く時の温度1100℃と比べたら非常に低い温度で炭化しています。
一酸化炭素ガスの発火点は641~658℃ですから当然発火しません。
ちなみに炭の発火点は320~400℃だそうです。
ですから炭焼き窯の煙突の所に炭を持ってゆくと火は着きますが一酸化炭素ガスは着火しません。
窯の中の温度を測定するのに煙突の所へマッチを持っていって目安にしていますが
マッチの原料である赤燐の発火点は260℃で黄燐は60℃、硫黄は190℃だそうです。
口から吹き出した炎が身体に迫ってきても、そう熱さを感じません。
炎の温度そのものは、思うほど高くないのでしょうか?
焚口から噴出す一酸化炭素ガスが燃えると
CO(気体) + 1/2O2(気体) = CO2(気体) + 283kJ
の熱化学反応をし283KJの発熱反応でガスが燃えますが燃焼温度が低い為、赤外線や遠赤外線が少ない為あまり熱く感じないものと思われます。
ちなみにメタンガスが燃える時は
CH4(気) + 2O2(気) = CO2(気) + 2H2O(液) + 890kJ
で3倍ほどの熱量になります。
炭素[C]量の多いプロパンガス(C3H8)ではもっと多くの発熱量になります。
こんなところでいかがでしょうか。
経験則と学問との間を埋める知識獲得に、また一歩近づいたような気分になりました。
・・・煙突の話・・・
普通、煙突といえば、背の高い円筒形の煙突を思い浮かべるでしょうが、炭焼窯の煙突は目には見えません。また、役割も、普通の煙突が火を良く燃えるようにするのに対して、炭焼の煙突は、逆の役割を持っています。


上の写真は窯の口から真直ぐ奥を見た所です。下半分、黒くなっている部分はタールが垂れた跡です。下の中央、小さなカマボコ型の孔が見えますが、そこから煙突が始まります。
そして右の写真のように、土の中を地上に出た所までが煙突部分です。
<3月17日(金)> 名月窯支援活動 菊炭友の会最終炭焼
9時~19時
伝統芸能を習得するステップとして『守・破・離』(しゅ・は・り)ということが言われます。師匠の通りに出来るよう修行するのが『守』、それが出来るようになり、少し自分なりの工夫を加えるのが『破』、そして自分流を打ち立てるのが『離』。
そういうことから考えると、私達は不肖の弟子そのものでしょうか。
自分達の最後の窯となると、試したいことを色々やります。原木の幹回りと、炭になった場合の幹回りでは、何cmの差が出るのか知りたく、針金を巻いた太目の木を入れる。太い竹も一緒に焼いてみるetc この程度のことは可愛いものです。
最後にとんでもないことを企み、実行しました。仲間の一人が「焚口から火が出るのを見たい」「見せてやろう!」ということになり、本来なら、火を少し落とし、レンガ積みにかかるところを、逆に薪を加え火勢を強くしました。
案の定、窯主(師匠)が自宅から煙を見、臭いを嗅ぎ心配そうに出てこられ、「そろそろ引かんと火が出るで~」「火を出そうとしてるんです」「そんなアホな~」と呆れ顔で戻って行かれました。

上、焚口から喉や目を刺す黄色い煙がもくもくと出始めました。火が出る気配濃厚です。
出ました~!
悪魔の舌はこのようなものかと思えるような炎が伸びます。
我がメンバーは大したものです。悪魔のごとき炎が噴き出ている口へレンガを積んで炎を押さえ込んでしまいました。余程、腹がすわっていないと出来ることではありません。
黒川窯で火が噴出した時の写真を、『熱分解』の解説をして頂いた『熱処理の専門家』に送り、噴き出す炎は何か質問してみました。返事のメールを頂きましたが、私には難しくて分りません。
私なりに解釈すると、『窯の中の温度が上がり、熱分解が始まり、進行するにつれ、木から(一酸化炭素)ガスが発生し窯の中に溜まる、それが煙突に抜けず、口へ噴き出す、そこには火がある、それに引火して炎となる』ということではないでしょうか。
一応、返事のコピーを掲載しておきます。
またまた難しい質問ですね!
ブログサイトは拝見しました。
写真を拝見した限りでは「赤い炎」しか映っていませんが、炎が噴出した窯の口近くではまず「青白い炎」が噴出しその先端が「赤い炎」になっていたのではないかと思います。
又、受け売りですが、「木質バイオマスの研究」論文に以下のような文章があります。
1.木質バイオマスとは、森林から生産されるエネルギー資源(生物燃料のことであり、例えば除間伐材や林地残材がそれにあたる。
これらの木材を、高温場にてガス化して、燃料や化学製品の基礎的原料である
水素や一酸化炭素などのガスに変換することを木質バイオマスのガス化という。
2.ガス化原理
ガス化の第一ステップは、バイオマスの熱分解である。つまり、バイオ
マスが温度200~600℃、無酸素状態のにおいて、ガス(CO、H2、CH4、
CO2、H2O)、チャー、炭化水素に分解することがガス化現象のスタート
である。原料の75~90%がガスおよび炭化水素に気化し、10~25%が
チャーに転換する。転換割合は加熱速度、原料の粒径によって、変動
する。
ガス化第二のステップは熱分解生成物質の燃焼である。つまり、酸素
または空気を供給し、第一ステップで生成したガス、チャー、炭化水素を
燃焼するのが第二ステップである。燃焼時に発生する熱は、第一ステッ
プの熱分解反応の熱源となっている。
酸素または空気の投入量は、当量比0.45以下とする。
ガス化第三ステップはチャーのガス化である。これは温度700~1200℃
で、主にBoudouard反応(C+CO2→2CO)と水性ガス反応(C+H2O→H2+
CO)により、COとH2が生成する。
上記3つのステップを経て生成したものがバイオマスガス化ガスであり、
CO、H2、CH4、CO2、H2O、炭化水素、(N2)を含む。炭化水素のうち、分
子量78以上のものは"タール"と呼ばれ、ガス冷却時に凝縮することから
問題とされている。
炭焼きではこの「ガス化第1ステップ」を利用しているものと思われます。
よって噴出したものはCO、H2、CH4、CO2、H2O、炭化水素などのガスのう
ち燃焼可能なCO(一酸化炭素ガス)、H2(水素ガス)又はCH4(メタンガス)が
考えられますが窯内の温度(300~400℃)から推測してほとんどがCOガス
と考えられます。(炭化が進んでいる証拠ではないでしょうか)
通常は後部の煙突から排出されるガスが何らかの影響で焚口へ出てきて
口焚きの炎に引火したものと思われます。
炭焼き用の窯の煙突はどれも短く、ドラフト(上昇気流)を極力使わないよう
な構造になっています。これも窯内の温度の上昇を防ぐのと酸素量の調整
をし易くする昔の人の知恵かもしれません。
<3月7日(火)> 名月窯支援活動 山と別れの日(山の整理)
9時~16時
季節は明らかに春に入りました。冬眠していたアマガエルが起き出しました。跳ねる姿を見せてくれました。その気になってみると、アリも姿を現しています。鹿の糞の傍には、フンムシでしょうか、動いている虫がいます。山が賑やかになってきています。
別れは、どんな場合も感慨深いものがあります。今シーズンの名月窯炭焼支援活動のうち山仕事は、今日で終わりです。
お互いに「お世話になりました」と山主と挨拶を交わし山を後にしました。その男達の胸の内が写真で表現できているでしょうか。

名月窯での作業は、3月17日の炭出しと原木入れ、それに引き続く24日の炭出しと窯止めの木入れを残すだけとなりました。
9時~14時30分
最終、炭出しを終えて、15時『るり渓温泉』にチェクイン。部屋に根が生えたように座り込みビールを味わう者、種々ある温泉を楽しむ者、さまざまでした。
18時、夕食の乾杯に先立ち、連絡調整担当から「ボランテイアには強いノルマはない。炭焼は窯に納期があり、雪や雨の日が多かった今年は、皆さんにプレッシャーをかけた。そのことが自分にもプレッシャーとして跳ね返り、厳しい年であった。期間中、誰1人怪我をする者なく過ごせたことで水に流して欲しい」という意味の挨拶があった。
後は、大人の集団、和やかに盛り上がった良き会となりました。
<最終窯のあれこれ報告>
・・・炭出し風景・・・




・・・原木と炭との体積の違い・・・

原木に巻きつけた針金。炭になるとこれだけの太さの差が出ます。
長さでは、下の写真の通り、原木では80cmありました。
炭になると65cm。


・・・竹炭・・・
クヌギの炭は400℃位で炭化しますが、竹は1000℃以上で無いと綺麗に焼けないと言います。従って、同じ窯で焼くのは無理がありますが、温度が最も上がると思える中央に竹を入れてみました。ドラム缶の窯で焼いた物と比較して綺麗に焼けているようです
・・・窯の口から吹き出す炎のこと・・・
焚口から噴き出す炎のことについて『熱処理の専門家』に再度、メールを入れました。
・・・・・ところで、またまた事後承諾ですが、「窯から噴き出す炎」の件をブログに掲載させて頂きました。それをまとめている内に、新たな疑問が湧いて来ました。
次の2点についてお教え頂ければと思います。
私のようなしつこい者に取り付かれてお気の毒に思います。
窯の中は高温になっているのに、一酸化炭素ガスは、熱では発火しないのでしょうか?
黒炭(クヌギなど)の炭焼き窯の内部の温度は400℃位で白炭(備長炭など)を焼く時の温度1100℃と比べたら非常に低い温度で炭化しています。
一酸化炭素ガスの発火点は641~658℃ですから当然発火しません。
ちなみに炭の発火点は320~400℃だそうです。
ですから炭焼き窯の煙突の所に炭を持ってゆくと火は着きますが一酸化炭素ガスは着火しません。
窯の中の温度を測定するのに煙突の所へマッチを持っていって目安にしていますが
マッチの原料である赤燐の発火点は260℃で黄燐は60℃、硫黄は190℃だそうです。
口から吹き出した炎が身体に迫ってきても、そう熱さを感じません。
炎の温度そのものは、思うほど高くないのでしょうか?
焚口から噴出す一酸化炭素ガスが燃えると
CO(気体) + 1/2O2(気体) = CO2(気体) + 283kJ
の熱化学反応をし283KJの発熱反応でガスが燃えますが燃焼温度が低い為、赤外線や遠赤外線が少ない為あまり熱く感じないものと思われます。
ちなみにメタンガスが燃える時は
CH4(気) + 2O2(気) = CO2(気) + 2H2O(液) + 890kJ
で3倍ほどの熱量になります。
炭素[C]量の多いプロパンガス(C3H8)ではもっと多くの発熱量になります。
こんなところでいかがでしょうか。
経験則と学問との間を埋める知識獲得に、また一歩近づいたような気分になりました。
・・・煙突の話・・・
普通、煙突といえば、背の高い円筒形の煙突を思い浮かべるでしょうが、炭焼窯の煙突は目には見えません。また、役割も、普通の煙突が火を良く燃えるようにするのに対して、炭焼の煙突は、逆の役割を持っています。


上の写真は窯の口から真直ぐ奥を見た所です。下半分、黒くなっている部分はタールが垂れた跡です。下の中央、小さなカマボコ型の孔が見えますが、そこから煙突が始まります。
そして右の写真のように、土の中を地上に出た所までが煙突部分です。
<3月17日(金)> 名月窯支援活動 菊炭友の会最終炭焼
9時~19時
伝統芸能を習得するステップとして『守・破・離』(しゅ・は・り)ということが言われます。師匠の通りに出来るよう修行するのが『守』、それが出来るようになり、少し自分なりの工夫を加えるのが『破』、そして自分流を打ち立てるのが『離』。
そういうことから考えると、私達は不肖の弟子そのものでしょうか。
自分達の最後の窯となると、試したいことを色々やります。原木の幹回りと、炭になった場合の幹回りでは、何cmの差が出るのか知りたく、針金を巻いた太目の木を入れる。太い竹も一緒に焼いてみるetc この程度のことは可愛いものです。
最後にとんでもないことを企み、実行しました。仲間の一人が「焚口から火が出るのを見たい」「見せてやろう!」ということになり、本来なら、火を少し落とし、レンガ積みにかかるところを、逆に薪を加え火勢を強くしました。
案の定、窯主(師匠)が自宅から煙を見、臭いを嗅ぎ心配そうに出てこられ、「そろそろ引かんと火が出るで~」「火を出そうとしてるんです」「そんなアホな~」と呆れ顔で戻って行かれました。




黒川窯で火が噴出した時の写真を、『熱分解』の解説をして頂いた『熱処理の専門家』に送り、噴き出す炎は何か質問してみました。返事のメールを頂きましたが、私には難しくて分りません。
私なりに解釈すると、『窯の中の温度が上がり、熱分解が始まり、進行するにつれ、木から(一酸化炭素)ガスが発生し窯の中に溜まる、それが煙突に抜けず、口へ噴き出す、そこには火がある、それに引火して炎となる』ということではないでしょうか。
一応、返事のコピーを掲載しておきます。
またまた難しい質問ですね!
ブログサイトは拝見しました。写真を拝見した限りでは「赤い炎」しか映っていませんが、炎が噴出した窯の口近くではまず「青白い炎」が噴出しその先端が「赤い炎」になっていたのではないかと思います。
又、受け売りですが、「木質バイオマスの研究」論文に以下のような文章があります。
1.木質バイオマスとは、森林から生産されるエネルギー資源(生物燃料のことであり、例えば除間伐材や林地残材がそれにあたる。
これらの木材を、高温場にてガス化して、燃料や化学製品の基礎的原料である
水素や一酸化炭素などのガスに変換することを木質バイオマスのガス化という。
2.ガス化原理
ガス化の第一ステップは、バイオマスの熱分解である。つまり、バイオ
マスが温度200~600℃、無酸素状態のにおいて、ガス(CO、H2、CH4、
CO2、H2O)、チャー、炭化水素に分解することがガス化現象のスタート
である。原料の75~90%がガスおよび炭化水素に気化し、10~25%が
チャーに転換する。転換割合は加熱速度、原料の粒径によって、変動
する。
ガス化第二のステップは熱分解生成物質の燃焼である。つまり、酸素
または空気を供給し、第一ステップで生成したガス、チャー、炭化水素を
燃焼するのが第二ステップである。燃焼時に発生する熱は、第一ステッ
プの熱分解反応の熱源となっている。
酸素または空気の投入量は、当量比0.45以下とする。
ガス化第三ステップはチャーのガス化である。これは温度700~1200℃
で、主にBoudouard反応(C+CO2→2CO)と水性ガス反応(C+H2O→H2+
CO)により、COとH2が生成する。
上記3つのステップを経て生成したものがバイオマスガス化ガスであり、
CO、H2、CH4、CO2、H2O、炭化水素、(N2)を含む。炭化水素のうち、分
子量78以上のものは"タール"と呼ばれ、ガス冷却時に凝縮することから
問題とされている。
炭焼きではこの「ガス化第1ステップ」を利用しているものと思われます。
よって噴出したものはCO、H2、CH4、CO2、H2O、炭化水素などのガスのう
ち燃焼可能なCO(一酸化炭素ガス)、H2(水素ガス)又はCH4(メタンガス)が
考えられますが窯内の温度(300~400℃)から推測してほとんどがCOガス
と考えられます。(炭化が進んでいる証拠ではないでしょうか)
通常は後部の煙突から排出されるガスが何らかの影響で焚口へ出てきて
口焚きの炎に引火したものと思われます。
炭焼き用の窯の煙突はどれも短く、ドラフト(上昇気流)を極力使わないよう
な構造になっています。これも窯内の温度の上昇を防ぐのと酸素量の調整
をし易くする昔の人の知恵かもしれません。
<3月7日(火)> 名月窯支援活動 山と別れの日(山の整理)
9時~16時
季節は明らかに春に入りました。冬眠していたアマガエルが起き出しました。跳ねる姿を見せてくれました。その気になってみると、アリも姿を現しています。鹿の糞の傍には、フンムシでしょうか、動いている虫がいます。山が賑やかになってきています。
別れは、どんな場合も感慨深いものがあります。今シーズンの名月窯炭焼支援活動のうち山仕事は、今日で終わりです。
お互いに「お世話になりました」と山主と挨拶を交わし山を後にしました。その男達の胸の内が写真で表現できているでしょうか。


名月窯での作業は、3月17日の炭出しと原木入れ、それに引き続く24日の炭出しと窯止めの木入れを残すだけとなりました。
by cn1397 | 2005-12-27 17:13 | 2006年3月活動記録 | Comments(0)

